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レブロン・ジェームス、ドウェイン・ウェイドとヒートのビック3を組みましたが、あまり目立つ存在ではありませんでした。

バッシングを浴びることもありましたが、チームのために我を捨て、レブロンとウェイドの黒子としてチームを支える選択をします。

念願の優勝、連覇を果たしヒートでキャリアを全うしようとしましたが、血栓症という選手生命を脅かす病気に侵されてしまいます。

NBAのコートに戻ることを望んでいましたが、治療、復帰、再発、治療と病気はボッシュを再びコートに立つことを許してはくれませんでした。

本日はチームプレイに徹し、病気と闘ってきたクリス・ボッシュを見ていきましょう。


【テーマ】

ヒートビックスリーの大黒柱~クリス・ボッシュ~


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目次
1. ヒートのビックスリー

2. 受賞歴

3. 病気

4. 
チームのエースとして~ラプターズ時代~

5. まとめ



1. ヒートのビックスリー

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2010年7月7日にボッシュはヒートへの移籍を決めました。数日後レブロン・ジェームスもヒートへの移籍を発表し、ヒートのビックスリーが結成します。

2007年に結成したセルティックスのビックスリーも話題をかっさらいましたが、ヒートのビックスリーはそれ以上でした。

〇理由
セルテックスビックスリーのKGとレイ・アレンは再建のため放出(放出されるまでにいろいろありましたが)
ヒートのビックスリーはこれから全盛期を迎えるレブロンとボッシュの移籍

チームはレブロンとボッシュの残留を望んでいましたが、2選手とも優勝するためにビックスリーを結成したのでヒートファン以外からは大バッシングでした。

特にキャバリアーズのファンはレブロンの移籍に激怒しユニフォームを燃やすほど、ヒートアップしていました。

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セルティックスのビックスリーが後の時代に与えた影響

ビックスリー結成当初はどれだけの勝率を残して優勝するか世間は注目していましたが、そこまで甘くありませんでした。

〇理由
・それぞれのチームで数年間エースとして活躍してきたのでケミストリーが構築できなかった。
・常に歓声を受けていた3人がそれを上回るブーイングを常に受けていたため精神的にきつかった。

しかし、個々の力は圧倒的だったので、プレイオフに進出しファイナルにも辿りつきました。

下馬評では圧倒的に有利と言われていましたが、マーベリックスに負けてしまい悲願は達成できませんでした。

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オフシーズン3人はそれぞれ決断します。
レブロン・・・ローポストゲームができる選手が必要としていたヒート。その役を自ら買いアキーム・オラジュワンも下でドリームシェイク(ポストプレイの極意)を学びました。

ウェイド・・・チームエースの立場をレブロンに渡しセカンドオプションになる決断をします。

ボッシュ・・・チームのサードオプションとしてレブロン、ウェイドにスペースを明け渡し、苦手としていたアウトサイドからのシュートとディフェンスを徹底的に磨きました。

チームを第一に置いたビックスリーは快進撃を見せます。

圧倒的な強さでレブロン、ボッシュにとっては初優勝、ウェイドにとっては2回目の優勝を。翌シーズンには3人にとって初めての連覇を達成します。

3連覇(スリーピート)を目指した翌シーズンはファイナルでスパーズに苦汁を飲まされましたが、ビックスリー結成の4年間で、
4度のファイナル進出に2度の優勝を手にしました。

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ビックスリー結成後のボッシュはスタッツは伸び悩み、レブロンとウェイドのように結果を残せていなかったため批判の対象となっていました。

しかし、2年目以降はチームプレイに徹しました。

苦手なディフェンスを気持ちでカバーし、オフェンスも苦手だった3Pシュートを練習し確率を年々上昇させていきます。

地味な役回りだったのでレブロンやウェイドのように光が当たることはほとんどなくなりましたが、ヒートのビックスリーを支えたのは間違いなくボッシュです。

チームのために個を犠牲にしてプレイスタイルさえも変えた元チームエースのボッシュは、過小評価されがちですが間違いなく偉大なバスケットボールプレイヤーの1人です。



2. 受賞歴

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永久欠番: ヒート#1

2×NBAチャンピオン : 2012, 2013

11×NBAオールスターゲーム出場 : 2006-2016

オールNBAチーム
 2ndチーム : 2007

NBAオールルーキーチーム 1stチーム : 2004

〇基本情報

身長: 211㎝

体重: 107㎏

所属チーム: 2003-2010ラプターズ 2010-2017ヒート
     
ポジション: パワーフォワード、センター

出身: アメリカ(テキサス州ダラス)

ドラフト: 2003年 4位


3. 病気

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2014年レブロンがキャバリアーズに戻り、ビックスリーが解散します。

ボッシュは5年1億1800万ドルのマックス契約を交わし2014-15シーズンが始まりました。

レブロンがいなくなった中、セカンドオプションとなっていたボッシュはラプターズ時代に近いスタッツを残します。

2015年のオールスター後に悲劇が訪れました。
肋骨付近に痛みを感じたボッシュは精密検査を受けます。

診察した医師は血栓がある可能性を指摘します。

更なる精密検査の結果、肺血栓が見つかり残りの試合全ての欠場が決まります。

治療とリハビリを経て2016-17シーズンの開幕戦で復帰し、21得点10リバウンドを記録し完全復活をアピールしましたが、再発してしまいます。

再びコートに戻るために治療を続けましたが、球団にも医者にもプレイすることを止められ、ヒートと契約を解消しました。

ボッシュは現役復帰を模索していましたが、プレーすれば生命の危険が伴うボッシュと契約する球団はありません。

2019年3月26日、ヒートがボッシュの背番号#1永久欠番セレモニーの席で現役引退を発表しました。


4. チームのエースとして~ラプターズ時代~

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レブロン・ジェームス、カーメロ・アンソニー、ドウェイン・ウェイド等そうそうたるメンバーとなった2003年のドラフト。

ボッシュはドラフト4位でラプターズに入団しました。

当時のラプターズはガタガタでした。
エースのヴィンス・カーターはチームにトレードを要求しており、チームの方針が決まらない中、ボッシュが入団してきます。

ラプターズはルーキーシーズンから活躍したボッシュをチームの中心に添えようとしたのでカーターはラプターズを出ていきます。

ラプターズがカーターからボッシュにチームの中心を変えた理由
怪我とモチベーションの低下でパフォーマンスが落ちていた為

入団2年目の途中からチームの中心がボッシュに変わり、翌年にはチームキャプテンに任命され名実ともにボッシュのチームに生まれ変わります。

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2006-07シーズンにはチーム史上初めてデビジョン優勝を果たし、一流のビックマンの証である20得点10リバウンドを達成すると、オールスターでは初の先発に選ばれます。

2007年のオールスターは
レブロン、ウェイド、ボッシュの2003年組がスターターに名を連ね大いに盛り上がりました。

2009-10シーズンまでチームのエースとして古墳奮闘しましたが、
7年間の在籍で2度しかプレーオフに進出できず、どちらも1回戦負けでした。

チームからは残留を強く望んでいましたが、優勝するためにヒートへの移籍を決めます。


5. まとめ

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念願の優勝、連覇を果たしヒートでキャリアを全うしようとしましたが、血栓症という選手生命を脅かす病気に侵されてしまいます。

NBAのコートに戻ることを望んでいましたが、治療、復帰、再発、治療と病気はボッシュを再びコートに立つことを許してはくれませんでした。

永久欠番セレモニー(引退セレモニー)
「自分の人生において、選手としてのパートはおしまい。自分にとって難しいことだったけれど、もう大丈夫。(受け入れるまで)時間がかかってしまった。もっとやれていたかもしれない。でも、そういう時期は過ぎ去ったんだ。もう(現役続行を)追い求めないことを決めた。辛かったけれど、もう大丈夫」

とコメントを残しています。

いろいろな引退の理由があります。
クリス・ボッシュは一番悔いの残る「病気」が理由です。

血栓が発覚してから4年過ぎて「現役続行を追い求めないことを決めた」とコメントしたボッシュ。

心の整理に4年間必要だったことを考えても苦汁の決断だったでしょう。

しかし、「現役続行を追い求めないことを決めた」と断言した以上、現役続行以外のものを追うことにしたのかもしれません。


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引退後ビジネス家として活躍しています。また、現役時代から財団を設立し子供たちのためにサポートしています。

多趣味で有名なボッシュなので、現在はどこに照準を合わせているか分かりませんが、
近い将来照準がバスケットに向くと私は考えています。

なぜなら球団にも医者にもコートに立つことを止められていたのにも関わらず、最後まで諦めなかったからです。

バスケット愛は誰よりも強いと思うからです。


ボッシュはコーチ等には興味がないらしいのですがフロントオフィスの仕事に就く可能性については検討しているようです。

できることならバスケットに関わる仕事に就いてほしいですが、病気で引退を余儀なくされたので、第2の人生は誰よりも楽しんでほしいと思います。

最後にチームのエースから黒子まで務めたボッシュの活躍をご覧ください。